海外のマイナンバー ~エストニア編~
今回は、エストニアのマイナンバー制度について調べてみました。以下、簡単にまとめていきたいと思います。
基本情報
エストニアのマイナンバー制度に関する基本情報は以下の通りです。
人口 | 約133万人 |
カードの取得義務 | あり(15歳以上) |
マイナンバー(個人ID) | 個人識別コード(11桁) |
利用範囲 | ・行政分野 ・民間分野 |
住民向けサービスについて
エストニアではマイナンバーカードを用いて様々な行政サービス、公共サービスで利用できる。例えば運転免許証、健康保険証、EU域内でのパスポート、公共交通機関の乗車券、駐車料金支払い、インターネット投票、市民ポータルへのログイン、電子申請、企業登記、納税申告 等である。民間利用についてはインターネットバンキング、顧客ポイントカード 等でも利用可能だ。
市民ポータルについて
マイナンバーカードとパスワードでログインする日本で言うマイナポータルのような仕組みも存在する。そこでは各行政機関が保有する自分の個人データを閲覧できる。例えば、年金情報、納税情報、医療情報(カルテ、処方箋、医療保険)、自動車登録、不動産、犯罪歴、銀行口座残高等も閲覧可能だ。住所、電話番号、学歴等については、自分で修正でき、また国からの通知、選挙の投票カード、地域情報等を受領できる。自分の個人データをいつ誰が参照したか、そのアクセス記録を確認でき、不審なアクセス記録があった場合、当該機関に苦情申立てできる。
特徴的な仕組み
エストニアでは、マイナンバーカードを所持していれば運転免許証を持ち歩かなくてもよい。警察官は、カードを電子的に読み取ることができる情報端末を携帯しており、カードを通じて運転免許証番号の照会が可能なのである。エストニアでは、こうした「ePolice」が進んでおり、多くのパトカーにはタッチパネル式の情報端末が搭載されている。端末を利用して自動車登録センター、交通保険局のデータなどにアクセスすることができる。端末は「身元確認」、「車の登録確認」、「地図」等の用途に利用されている。
また、警察官がシステムに自動車登録番号(カーナンバー)を入力すると、所有者氏名、免許証の有効期限、犯罪歴、以前に払った罰金歴などの情報が即座に確認できる。犯罪容疑者である場合には、特別なアラートが出され、駐車違反の場合には、自動車登録番号を入力して所持者の電話番号を調べて、移動するよう指示することができるのである。
以上、今回はエストニアのマイナンバー制度についてでした。