海外のマイナンバー ~ブラジル編~
今回は、ブラジルのマイナンバー制度について調べてみました。以下、簡単にまとめていきたいと思います。
基本情報
ブラジルのマイナンバー制度に関する基本情報は以下の通りです。
人口 | 約2億1,500万人 |
カードの取得義務 | あり |
マイナンバー(個人ID) | CPF(個人納税者登録番号)(11桁) RG(一般身分証明書)(各州で番号が異なる) |
利用範囲 | ・行政分野 ・民間分野 |
国民IDの歴史
ブラジルには、主に二つの主要なID番号が存在します。一つはCPF(Cadastro de Pessoas Físicas: 個人納税者登録番号)で、もう一つはRG(Registro Geral: 一般身分証明書)です。CPFは連邦政府の歳入庁によって管理され、主に税務手続きや金融取引で使われます。一方、RGは各州の公安局によって発行される身分証明書で、州ごとに番号が異なります。
これらの番号は長らく併用されてきましたが、2022年に連邦政府はこれらを統合し、「全国民身分証明書(Carteira de Identidade Nacional: CIN)」を導入することを決定しました。これにより、各州で異なるRG番号が廃止され、CPFを唯一の全国的な身分識別番号として使用する方針が打ち出されました。
利活用について
ブラジルでは、CPFは納税申告、銀行口座の開設、クレジットカードの申し込み、不動産取引など、ほとんどすべての経済活動で必須の番号です。RGは、警察や行政機関での身分証明として使われ、運転免許証の取得などにも必要となります。
新しいCINでは、CPFが唯一のID番号として身分証明書に記載されるため、煩雑だった二つのID番号の使い分けが不要になります。これにより、行政サービスや民間サービスの利用が簡素化され、国民の利便性が向上すると期待されています。
特徴的な仕組み
ブラジルのマイナンバー制度の最大の特徴は、「ID番号の統合」です。これまでは連邦政府が管理するCPFと、各州が管理するRGが併存しており、国民は手続きによって両方の提示を求められることがありました。
新しいCINの導入により、CPFが全国統一のID番号として確立され、重複する番号や混乱が解消されます。また、CINはICチップを搭載しており、QRコードやデジタル版も発行されるため、デジタル時代の本人確認手段として、さらなる利便性の向上が期待されています。
以上、今回はブラジルのマイナンバー制度についてでした。