海外のマイナンバー ~シンガポール編~
今回は、シンガポールのマイナンバー制度について調べてみました。以下、簡単にまとめていきたいと思います。
基本情報
シンガポールのマイナンバー制度に関する基本情報は以下の通りです。
人口 | 約590万人 |
カードの取得義務 | あり(15歳以上) |
マイナンバー(個人ID) | NRIC番号(National Registration Identity Card)(9桁) |
利用範囲 | ・行政分野 ・民間分野 |
国民IDの歴史
シンガポールでは、1965年の独立後間もなく、国民登録法が制定され、国民登録身分証明書(NRIC)の制度が始まりました。これにより、すべての国民に固有の9桁のNRIC番号が付与されました。この番号は、シンガポール国民および永住者の身元を証明するための最も重要な番号であり、一生涯を通じて使用されます。
NRICは、物理的なカードとして交付され、近年ではデジタル身分証明サービス「Singpass」と連携することで、オンラインでの本人確認や各種行政サービスへのアクセスがさらに簡便になりました。
利活用について
NRIC番号は、行政と民間双方で広範に利用されています。行政手続きでは、納税申告、年金(CPF: 中央積立基金)の管理、公営住宅の購入、医療機関での受付、パスポートの申請など、ほぼすべての公的サービスで本人確認の手段として使われます。
民間分野でも、銀行口座の開設、携帯電話の契約、雇用契約、会員登録など、本人確認が必要なあらゆる場面でNRIC番号の提示が求められます。
特徴的な仕組み
シンガポールのNRIC制度の最大の特徴は、**「デジタルIDの積極的な活用」**です。政府は「Smart Nation」構想のもと、デジタル身分証明サービス「Singpass」を国民に提供しています。Singpassは、NRIC番号と連動したデジタル認証システムであり、国民はスマートフォンアプリを通じて、約2,000の政府サービスや800以上の民間サービスに安全にログインできます。
また、Singpassアプリは、デジタル署名機能やQRコードによる本人確認機能も備えており、物理的な身分証を持ち歩く必要性を減らし、国民の利便性を大幅に向上させています。
以上、今回はシンガポールのマイナンバー制度についてでした。