海外のマイナンバー ~アメリカ編~
今回は、アメリカのマイナンバー制度について調べてみました。以下、簡単にまとめていきたいと思います。
基本情報
アメリカのマイナンバー制度に関する基本情報は以下の通りです。
人口 | 約3億3,000万人 |
カードの取得義務 | なし |
マイナンバー(個人ID) | 社会保障番号(Social Security Number: SSN) |
利用範囲 | ・行政分野(社会保障、税) ・民間分野 |
国民IDの歴史
アメリカでは、1935年の社会保障法制定に伴い、社会保障番号(SSN)が創設されました。これは、年金や失業手当などの社会保障給付を管理するために、国民一人ひとりに固有の9桁の番号を付与するものです。当初は社会保障の目的のみに利用されていましたが、徐々にその利用範囲が拡大し、現在では事実上の国民IDとして機能しています。
SSNは、市民権を持つ人や合法的な居住者に付与され、原則として一生涯を通じて変更されることはありません。当初は紙製のカードが発行されていましたが、現在ではデジタルでの利用が主流となっています。
利活用について
SSNは、行政分野と民間分野の両方で広く利用されています。行政手続きでは、納税申告、パスポートの申請、運転免許証の取得など、多くの公的サービスで本人確認の手段として使われます。特に、IRS(内国歳入庁)はSSNを用いて納税情報を一元管理しており、税務行政の基盤となっています。
民間での利用も非常に一般的であり、銀行口座の開設、クレジットカードの申し込み、住宅ローンや賃貸契約、就職活動など、社会生活のあらゆる場面でSSNの提示が求められます。このため、SSNは個人の信用情報と深く結びついており、アメリカ社会で生活する上で不可欠な番号となっています。
特徴的な仕組み
アメリカのSSN制度の最大の特徴は、**「民間利用の広範さ」**です。当初は社会保障のための番号でしたが、その信頼性と利便性から、民間企業が本人確認や信用調査に広く利用するようになりました。これにより、SSNは個人の金融取引履歴や犯罪歴など、多岐にわたる情報と紐づくことになり、事実上の国民IDとして機能しています。
一方で、この広範な利用は個人情報の漏洩リスクを高めるという課題も生んでいます。SSNが漏洩すると、なりすましや不正利用のリスクが非常に高くなるため、政府や企業は厳格なセキュリティ対策を講じることが求められています。
以上、今回はアメリカのマイナンバー制度についてでした。